6. 今後の課題
1) 現地の視点からみた課題
○限られた資源(土地・水)に対する開発圧力・需要(毎年農地1300ha.が転用)
○自然環境への負担(交通に伴う大気汚染・水汚染など)
○収入の格差
○社会的・文化的基盤の損失
○管理・調整能力の低さ(人材の不足)
○地域開発資金の少なさ
2) わが国への示唆
○「観光まちづくり」の概念の共有化は可能
・インドネシアでは行政改革に伴い、ほとんどの施策がボトムアップからの取り組みに変わってきており、観光に対する取り組みについても同様である。そのため「観光まちづくり」の考え方は好意的に受け止められている。
○情報提供に留まらず、行動を起こすことが重視されている。(ただし、インドネシアでは人材が不足しているとの認識)
・情報提供とあわせて、コンサルティング等を行うことの重要性が指摘された。ガイドブックなどで情報提供しても読まれない場合が多いと考えられている。
・そのため、人材育成などに向けて、大学、NGOなどでWorkshop形式での取り組みが多数実施されている。
・この点、ガイドブックを活用した観光地づくりの振興に向けた取り組みとして注目される。
○収入基盤をもった地域経営組織の確立
・ペンリプランでは入村料をバンジャール(コミュニティ組織)が徴収し、それを地域の改善事業等に活用するという収益還元/配分の仕組みが機能している。
・また、Ubudでは伝統村が観光協会を設立し、清掃管理・駐車管理・路上売り物の規制などを実施している。
・こうした地域の経営組織のあり方について参考にすべき点がある。