ご挨拶
財団法人アジア太平洋観光交流センター
理事長 長光正純
財団法人アジア太平洋観光交流センターによる「観光に関する学術研究論文」募集は、今回で6回目を迎えました。
当財団は、世界観光機関(WTO)アジア太平洋事務所の活動支援及び我が国とアジア太平洋地域の観光交流促進、観光振興に関わる各種の事業を展開してきております。この「観光に関する学術研究論文」募集事業は、観光に関わる学術振興事業として、重要な柱のひとつに位置付けております。
今回も期待に違わず、レベルの高い多くの力作が寄せられました。当財団では、大学や大学院の研究者の方々ばかりでなく、政府観光機関、旅行会社、観光連盟等実務家を含めた様々な分野の方々からの応募を期待しておりました。今回は、期待どおり非常に幅広い分野の方々の応募を得ることができ、また、テーマも具体事例の検証においては、着眼点がユニークなもの、データを取るのに非常に苦労されたもの、地道な研究がなされたものなど、当事業ならではと思われる作品が多数寄せられました。
WTOの発表によると1999年の世界の国際観光は、国際観光客数が6.64億人、国際観光収入(国際線運賃収入は除く)が4,550億米ドルと順調に成長してきております。いよいよ21世紀を迎えることとなりましたが、我が国においても、歴史的文化遺産保全、環境保全との調和のとれた観光開発や観光振興が、経済活性化、地域振興の面からますます重要視され、そのための理論的バックボーン、実践的アプローチとしても観光学の確立、発展が望まれています。
観光学は学問としては未だ発展途上であり、その裾野は、様々な学問に亘っていますが、当財団の「観光に関する学術研究論文」募集事業が、観光学の構築と発展の助となることを願い、今後もこの事業に取組んでいきたいと考えております。
今回入賞された方々に心よりお祝いを申しあげますとともに、惜しくも入賞を逃された方々にも、ご多忙の中、力作をお寄せいただきましたことに深謝申しあげます。
最後になりましたが、本事業をご支援いただいている皆様方に対し、厚くお礼申しあげます。