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資料3. 航跡密度図

 

航跡密度

海域の利用状況または混雑状況の概観を目的として航跡密度図を作成する。航跡密度は対象海域を正方形のメッシュで区切り、各メッシュ内におけるすべての通航船舶の存在延べ時間を観測時間で除し、そのメッシュを1km2に換算した値としたものである。実際の計算にあたっては、調査対象海域内における航跡数に加えて、その海域を航行する各船舶の速力の違いによる存在時間を加味している。このことは、同じ1本の航跡であっても、速力によっては当該海域に数分間しか存在しない船舶もあれば、数十分間存在する船舶もあることから、速力が混雑状況に影響を与えるためである。

また、さらに実際に近い混雑状況を表現するために対象となる船舶の大きさについても考慮している。すなわち、船舶の大型化に伴って船長および船幅は大きくなり、海域全体における物理的占有面積が大きくなり、混雑状況に大きく影響を与えるためである。

本資料では1つのメッシュを500メートル四方に区切り、各メッシュにおける航跡密度(隻/km2)を求め、その大きさを濃淡として表現することとした。また、船舶の大小による重み付けは表3.1に示すL(L2)換算係数を用いることとし、ここでは本調査において最も多くの通航が確認された200〜500総トン数の船型を「標準船型」として定義した。L(L2)換算係数は、標準船型の船長(m)で基準化した係数であり、対象船型が大きくなるほどその係数も大きくなるものである。以下に航跡密度の算出式を示す。

なお、参考までに他の海域における最大密度を表3.2に示す。

 

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