図5.1〜図5.7に9月12日21時からの地上天気図を12時間毎に示す。
中部地方では前日(9月12日)まで日本上空に停滞していた前線と九州南方の台風の影響により大雨となり、とくに名古屋においては河川の決壊による浸水などの被害をもたらした。
三重県の南部においても大雨による交通の遮断、土砂災害など被害はあったものの、大王地方は比較的雨量が少なく観測準備においても継続的な降雨はなかった。
翌9月13日の観測初日は停滞前線が北上したことから天候は回復したものの、気温の上昇に伴って朝から視界が悪く、観測開始が予定されていた昼12時においてもその視認距離(双眼鏡による)はおよそ4浬程度であったため開始時刻を延期した。同日18時になり一部の海域で霧によって視界が制限されていたものの、高倍率望遠鏡によりおよそ12海里沖の船舶を視認することができたため観測を開始した。
天候は停滞前線と台風の影響もあって2日目の夕方までは“曇”が比較的多かったが、その後は“晴”が多くなり視界も向上した。風は東からのものが多く、風速は48時間の平均約9m/s、最大で11m/s(30秒平均値)を記録した。波高は全期間をとおして3〜4mほどあったが、観測2日目以降では操業漁船、遊漁船、プレジャーボート等の活動も見られた。