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プレジャボート等の海難状況

(プレジャーボート等の海難が増加し過去最高)

第六管区海上保安本部 航行安全課

 

当管区本部が管轄する瀬戸内海・宇和海における平成12年の要救助海難(何らかの救助を必要とする船舶海難)隻数は、297隻で前年に比べ13隻減少しましたが、用途別では、プレジャーボート等の要救助船舶の隻数が147隻と前年より9隻増加し過去最高となりました。

プレジャーボート等の海難の増加した要因としては、夏場の天候が安定し晴天が続いたことから、マリンレジャー活動が活発化したことによるものと考えられます。

海難の原因としては、見張不十分、機関取扱不良等運航者の不注意といった人為的なミスによるものが、あいかわらず7割以上を占めています。

これは、レジャーに夢中になり周囲の見張りを怠ったり、日頃の点検整備がおろそかになっているものと考えられます。

今後ますますマリンレジャー活動が活発化しレジャーボート等の隻数が増加することから海難が増加するものと考えられます。

海上保安庁では、平成13年1月6日各管区本部に「マリンレジャー安全推進室」を設置して、地域の実情に応じたマリンレジャーに関する事故防止活動や情報提供の充実を図ることとしています。

平成12年の詳細な状況は次のとおりです。

(1) 用途別の海難発生状況(別表1参照)

和船型ボート63隻(全体比約43%)、モーターボート56隻(全体比約38%)の順となっています。

前年と比較すると、和船型ボートが10隻増加する一方でモーターボートが10隻減少し、過去10年間の平均値と比較すると、和船型ボートが20隻、モーターボートが15隻、全体で39隻が増加しており、年々増加する傾向にあります。

(2) 海難種別の状況(別表2参照)

衝突・乗揚げが計40隻(全体比約27%)、機関故障が32隻(全体比約22%)の順となっています。

前年と比較すると、推進器障害が13隻、機関故障が7隻、その他(漂流、バッテリー過放電、燃料欠乏等)7隻と増加する一方で、乗揚げ・火災が10隻ずつ減少しています。

過去10年間の平均値と比較すると、その他が17隻、機関故障が11隻、推進器障害が10隻の増加が目立っており、日常の整備点検がおろそかになっているものと考えられます。

(3) 月別海難発生状況(別表3参照)

8月が29隻と最も多く、9月21隻、7月20隻の順となっています。

前年と比較すると、11月に11隻、9月に8隻が増加する一方で、10月に11隻、3月に8隻減少しています。

過去10年間の平均値と比較すると、9月に12隻、8月に10隻、7月に8隻と夏のシーズン中に増加しています。

 

 

 

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