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次にAPLでの許容される擬似距離誤差は下記として計算される。

擬似距離誤差は“|バイアス|+2シグマ”として計算される。

ここで、2シグマの値は2×0.0372m=0.07m

従って、許容されるバイアスの値は

 

カテゴリー2:1.06m(1.13m−2×0.0372m)

カテゴリー3:0.47m(0.53m−2×0.0372m)

 

この値(カテゴリー2:1.03m、カテゴリー3:0.47m)を測定されたバイアス誤差を表している図5-13APL Pコード コードによる擬似距離(バイアス)からのバイアス誤差(0.6m)と比較すると、測定されたバイアス誤差(0.6m)はカテゴリー2(擬似距離誤差:1.06m)を満足するが、カテゴリー3(擬似距離誤差:0.47m)は満足しない結果が得られた。

しかし、GBASシステムとしてカテゴリー3を満足するかどうかは、ユーザ位置誤差がGPSのディファレンシャル補正誤差にも強く依存することから、今後フィールド或いは飛行試験での評価が必要となる。

 

上記計算におけるAPLを使用したディファレンシャル補正での条件;

1. GBAS基準局でのAPL受信レベルとユーザ受信機での受信レベル差:15dBと仮定、図5-13からのバイアス誤差の推定:0.6m(図5-13の45dBと60dBの差)

2. 1シグマの値は表4-3のPC設定による減衰量の45dBの値による。

3. VDOP=1.5と仮定。

4. ユーザが位置解に使用するGPSとAPLの全ての擬似距離誤差を同一と仮定。

 

4.5 その他(各種データの整理)

APLの主要な要件については前述の(1)APL擬似距離精度、(2)バイアス問題、(3)遠近問題と(4)APLクロックにてすでに記述した。また、付図に示される様に上記の説明で使用した図以外にも多数の参考データを取得したので、これらのデータ(図)を次表に整理してまとめた。

地上疑似衛星の性能を理解する上での参考データとして使用することができる。また、データは室内での環境下で取得されたものであることから、あくまで参考として使用されるものである。

 

 

 

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