本事業の成果
実行委員長 近藤正隆
(1) 本事業の必要性の確認
本事業実施の成果として、まずこのテーマである「不登校生の進路と社会参加のネットワークづくり」の必要性が確認されたことをあげたい。実は実施当初は各方面で全く理解されなかった。調査段階では「社会参加」の意味が十分理解されず、インターン受入調査では「この不況に何故我々が不登校生のめんどうをみなければならないのか」「不登校生とはどんな人達で何ができるのか分からないので協力できない」という批判があった。
シンポジウムの予告記事を書いてもらうべくマスコミに送ったプレスリリースも「ちょっと意味がわかりにくいですね」という返事が多かった。不登校生受入教育機関もそれまで「社会参加」という意識が乏しかったため、その必要性を理解するのに多少の時間を要した。しかし、各地でシンポジウムを行うことで、参加した教育機関、企業共に理解は急速に進んだ。マスコミ側も事前の私共への取材やシンポジウムの取材で理解が増し、この問題を積極的に取り上げてくれるようになった。
そして日本財団の主催する「長期ひきこもり型不登校フォーラム」では登校拒否文化医学研究所の高橋所長が何度も「社会参加」という言葉を使い、11月には「不登校情報センター」の松田氏が中心となって、ひきこもりの人達の社会参加を目指して月刊誌「ひきコミ」も創刊された。
今や私共の提起した不登校生の社会参加というのは、それまで同様の活動を独自にされてきた方々を始め一つの流れとなってきたとさえ思われる。
(2) 不登校生の社会参加方法の発見
「不登校生の進路と社会参加のネットワークづくり」シンポジウム開催の成果として以下の社会参加の方法を見いだしたので、紹介したい。
1] インターンとしての社会参加
不登校経験者には、卒業後即就職という形式は難しい。それ故まずはインターンという形で、企業、商店、地場産業、農林業の経営者に協力を依頼している。有償、無償等の条件は受入れ側が設定するが、いくつかの地域で具体化が可能である。
2] ボランティアとしての社会参加
まずは無償のボランティアとして福祉施設、医療施設等で活動する。自分が他人の役に立つことが感じられると、彼等は自信を持ち、これが自立に繋がる。慣れてきたら少しづつ有償ボランティアに切り換え、仕事に近づけ、いずれ独立して福祉事業所を開設するような方向で考える。既に具体化している所もある。