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3. 中高齢者災害事例(墜落・転落編)

事例1 乱雑に積み重ねた鉄板上での切断で墜落

 

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発生状況 職種 ガス工 年齢(経験年数) 59才(20年)

本人は、工場内のスクラップ置場で、地上1.5mの高さに乱雑に積み重ねた鉄板の最上部の鉄板をガス切断していた。中腰で鉄板を切断していたが、切断される鉄板だけが下に落ちると思っていた。しかし、切断と同時に自分が乗っていた鉄板が跳ね上がり、本人もろとも後方に崩れ落ち受傷した。

 

原因

1. ガス作業の経験が長いだけに、通常の作業と同様に考えていた。

2. 周辺の状況を確認せず作業を行なった。

3. 切断後、鋼鈑がずれたり跳ね上がったりしないよう、かまし物をしていなかった。

 

対策

1. 危険予知等の安全に関する感受性向上の指導・教育を行う。

2. 中・低所での作業は、安易に考えず良く状況を認識して墜落・転落防止の方法を考える。

3-1. 監督者は、乱雑に置かれたスクラップ解体作業について、「かまし物をする」とか「作業位置、作業方法」について明瞭な指示を行なう。

3-2. 切断作業では、完全に切り離さず、最後の切断は作業位置を変えてから切り離すことを徹底する。

 

中高齢者への留意すべき点

「いつも通り大丈夫だろう」という経験があだとなった例。経験値が高まるのに相反して、状況把握、認識が甘くなるとのデータもある。しかるべき備えをしてから作業にかかるべき。

 

 

 

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