花崗岩
千葉県でいいますと、東京湾側につくった工場誘致用の埋め立て地がありますが、産業の空洞化で工場をそのまま放置しておくよりも、むしろ工場を壊して、もとの湿地だとか、海に戻そうじゃないかというようなアイデアが出されています。
今日は房総半島の外側について見てきましたが、今後、房総半島の内側についても、人間がここ数十年で急激につくった施設だとか土地を、また違う形で見直してみようというような動きが出てくるのかなと思います。
ここで、標本をご覧いただきたいと思います。さっき、ヘッドランドのところで欠けている石くずを拾ってきたんですけれども、花崗岩です。この花崗岩は、今、海岸の土木工事で構造物を作る時に使いますけれども、この花崗岩の色とか素材と、先ほど太東崎で見ていただいた房総半島の固有の堆積岩の地質と比較をしていただければと思います。
先ほど鉄製の魚礁をごらんになったかと思いますけれども、やっぱりその土地にもともとある石や、或いはもともと無くても、それに近いようなものをその地域で使っていくほうが、おそらく生態系としてもいいだろうということが言えると思います。
総合土砂管理ということで、今、川の上流から下流、そして、海岸、大陸棚という包括的な捉え方がありますけれども、基本的には、地球の営力で、山の上から削られて、海に至るまでのものを1つのシステムとしてとらえたときに、その流域の違うものを持ってくるよりも、その流域の中で起きたいろいろな自然の移り方なり、戻し方を工夫するほうが良いんだろうと思います。