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道路の右側に見えているのがわずかに残る天然の砂丘地です。九十九里浜は全体が県立九十九里自然公園に指定されていて、その中でも特にこの場所は特別地域ということで、海岸の自然が大事に守られるべきところとして取り上げられています。ここには砂浜の表面に巣をつくって住んでいるコアジサシの営巣地があって、それを保全しようという動きもあります。また、大分数は減ってしまったんですけれども、この場所にはアカウミガメが産卵に来ます。ところが、特に4WD車などに大分砂浜が荒らされまして、自然保護関係の方たちが何とかそういった車の乗り入れをやめて欲しいということをずっと訴えてきました。それで今年の4月1日からは県立自然公園の条例による罰則として、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられるようになっています。

 

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罰則看板

 

コアジサシ

チドリ目カモメ科アジサシ類のうちの1種。40cm弱の中型の鳥。主に北半球の温帯地域以北で繁殖し、冬は越冬のため南半球まで移動する。小魚を主食とする。

 

アカウミガメ

ウミガメ科アカウミガメ属。世界中の大洋に広く分布する。全長は1m弱で、体重は100kgを超える。雑食性。日本では初夏から夏にかけて九州から九十九里浜までの太平洋岸に上陸して産卵する。日本の本土で産卵する唯一のウミガメで、回帰性があり同じ産卵場所に帰ってくることが知られている。

 

地引網

九十九里浜の伝統的な漁法に地引網がある。現在は観光用としてわずかに行われているのみである。

 

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天然の砂丘

 

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九十九里有料道路

昭和47年(1972年)に開通した、一宮から片貝までの海岸線につづく全長17kmほどの有料道路で、別名「波乗り道路」とも呼ばれ、地元の利便だけでなく首都圏からの観光客のアクセスにも大きく寄与している。

 

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道路下のガード

九十九里有料道路は利便性の向上というメリットの反面、環境面や地元住民の海岸への往来の支障などのデメリットも生じた。現在、海岸への往来は写真のようなガードがある一部の場所に限られている。

 

 

 

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