九十九里浜に打ち寄せる波は、夏季は台風のうねりの影響で南東方向から、冬季は季節風の影響で北東方向から作用する。10月の一宮海岸(写真左)では、夏の間にヘッドランド右側に堆積した砂が北東から波によって侵食され始め、浜崖(砂の崖)が形成されている様子が見える。これは季節によって変わる波の入射方向によって砂が左右方向に移動していることを示しており、2月(写真右)の時点では浜崖は完全に消滅するとともに、階段状護岸に堆積した砂も減っており、このヘッドランド付近に堆積していた大量の砂が南側に隣接するヘッドランドの方へ移動したことを現わしている。