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植栽後間もない保安林

 

この海岸には松の保安林がずっと続いています。これは森林法という法律のもと飛砂防備保安林ということで、林野庁所管として整備されています。これは飛砂を止めるのに非常に有効です。昔、保安林も何もない時には、砂が田畑を埋めて障害になっていたということは間違いないので、その意味でこれらの木は伐採されることなく残されたんです。こうした保安林は、長い時間をかけて多くの人たちが努力した結果ですし、自然環境を緩和するのに、あるいは塩分の飛沫防止に絶大なる効果を上げていることも確かです。

今、保安林の区域というのは国有林に指定されていますから、例えば道路を通すとかホテルとか建てるとかの開発行為をなかなか認めてくれない場所です。

 

ところで保安林の管轄は林野庁ですから、林野庁の担当者にとってはこの保安林を守ることが非常に大事な仕事です。そのために、保安林の生育に邪魔になるものとして塩分と風があるんですが、土を盛り上げて土堤を築くことでそれを防ごうとしているんです。この土堤、風を防ぐのには非常に効果的です(写真)。塩分飛沫も飛ばなくなります。これがないと風の強い時は飛沫が1kmぐらい内陸まで飛びますから。

 

ところが、海岸の侵食が激しい場所では、この土堤が削り取られる場合があるんです。そうすると、林野庁の人は保安林を守るには土堤を守ることがまず重要なので、土堤に直接波が当たらないようにするために多くの場合、護岸をつくるわけです。様々なタイプの護岸がありますけど、この場所ではコンクリート厚約50cmで、砂浜の中に突っ込んでつくってあるわけです。ですが、海岸侵食で目の前の砂浜がなくなると、激しい波が直接あたりますからこの程度の護岸では壊れてしまいます。だから当たる波を小さくするために、延々と消波ブロックを置かざるを得なくなるわけです。

 

 

 

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