はじめに
2000年6月、全国の特定非営利活動法人(以下、NPO法人)の数は2000を突破した。21世紀の初年を迎えるとき、この数字は2700近くに到達すると予想される。
特定非営利活動促進法(以下NPO法)は、1998年3月19日に成立し、同年12月に施行された。この法律は、シーズをはじめとする市民側が立法に積極的に参加した法律として「新しい立法のモデル」とも評価されたものである。この法律により、市民団体が簡易に法人格を取得できるようになり、また法律に情報公開性が盛り込まれたことで、誰でも簡単にNPO法人の情報にアクセスできるようになった。
現在、NPO法人にとって最も関心が高く、一番注目されているのは、NPO法人への税制優遇措置の行方である。というのは、このNPO法には税制優遇措置が盛り込まれなかったからだ。NPO法の附則、および国会の付帯決議では、2001年の11月末までに検討を加えて措置を講じることとなっているが、これはいわば口約束にすぎない。
シーズでは、NPO法人に対する税の優遇措置を獲得すべく、全力で取り組んでいるが、なぜNPO法人への税制優遇措置が必要なのか、という論理の構築は急務である。NPO法人側が求めているからというのではなく、現在は、NPO法人がいかに営利を追求する企業や行政と違うのかを明らかにし、そのうえで必要性をアピールすべき時であろう。
今回の調査では、NPO法人の行う「事業の実態と意識」を明らかにするとともに、NPO法人の企業や行政との「事業構造の違い」、また「比較優位性」を探ろうとした。またNPO法人の、他と最も違う点である「市民参加」の意識についても、明らかにしようと試みた。
この報告書の第一部では、調査の概要を述べるとともに、今後のNPOの課題をまとめた。また、第二部では調査結果の詳細、第三部では2000年5月25日に行った報告の発表会の報告を記し、取り上げられた新聞記事などを掲載した。
この調査は、日本財団の助成を得て行ったものである。このページを借りてお礼を申し上げたい。
2000年6月
シーズ=市民活動を支える制度をつくる会(C's)
事務局長 松原明