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さて、ここで共催者を代表いたしまして、財団法人笹川医学医療研究財団専務理事、紀伊国献三よりご挨拶申し上げます。

紀伊国専務理事、よろしくお願いいたします。

紀伊国専務理事 皆様、たいへんご苦労さまでございました。2000年9月24日は女子マラソン金メダルの日として記憶されるでありましょうが、おそらく我々にとっては一人ひとりが本当に「死」というものは何か、そして「生きる」ということは何かということをこれほど真剣に考えた午後もなかったのではないだろうか。この会場におられた方は、9月24日はそういった意味でたいへん充実した午後ではなかったかと思っております。その充実さに貢献してくださった日野原重明先生、デーケン先生、そして非常に活発なパネルディスカッションをしてくださった松島先生他パネリストの人に心より感謝申し上げなければなりません。

しかし、それは何よりも熱心に聞き入ってくださった聴衆の方々、おそらくもっと発言したいというフラストレーションをお持ちの方もおられるかもしれませんけれども、それはこれから先に皆さん方が我々と共にいっしょに考えていくきっかけの日であったのではないかと思うわけであります。

本日の表題は「『死』をみつめ、『今』を生きる」、見つめるという行為、あるいは生きるという行為は、いずれも積極さを伴うのではないだろうか。受身ではなくて、死も見つめていこう、生きるということはどういうことかということを我々が考えていかなければならない。デーケン先生は「準備が必要である」ということを言われました。私もまだ死んだことがありませんから、もっともすぐれた死というのはよくわかりませんけれども、やはり積極的にそれを見つめる準備ということが必要でしょう。お釈迦さまは「人生には4つの苦労がある」と言われました。今日はそこのなかで「生きること」「死ぬこと」でありますが、そのほかにも「老いること」「病気になること」――病をもつことも人生の苦労であります。どうしたらよりよく死ぬことができるか、よりよく生きることができるか。と同時に我々はどうしたらよりよく老いることができるのか、よりよく病むことができるのかということも考えなければならないと思います。

「memento mori 香川」、香川はお聞きしますと八十八か所の最後のお寺の大久保寺があるところだといいます。祈願寺ともいうようであります。願いが叶うところが香川県ではないかと思っております。その香川県でたいへんにお世話になりました高松市、香川県教育委員会、高松市教育委員会、香川県医師会、香川県看護協会、香川県社会福祉協議会、香川県ボランティア協会、四国新聞社の方々に心から御礼申し上げたいと思うわけであります。お遍路さんは「同行二人」という杖を持ち、背中に書いてお遍路をすると言われております。人間は一人では生きられない。大師さんといっしょに歩く。今日、我々はさまざまなことを学びました。しかし、それを家族とともに語り合おうではないか。そして家族ではなくて友人にも語り合おうではないか。友人を越えて、地域社会とも語り合おうではないか。地域社会を越えて国とも語り合おうではないか。そして、オリンピックが開かれておりますように、世界200カ国で語り合おうではないか。このようにどうすればよりよく生きることができるかということを語り合うことが平和な世界を築くことができるのではないかと思っております。

本日は本当に遅くまでありがとうございました。主催者を代表して心から御礼申し上げます。

司会 ありがとうございました。共催者を代表いたしまして、財団法人笹川医学医療研究財団専務理事、紀伊国献三よりご挨拶を申し上げました。

さて、長時間にわたり行なってまいりました「memento mori 香川 2000――『死』をみつめ、『今』を生きる」はこれにてすべてのプログラムを終了いたしました。私ども日本財団はこうしたセミナー開催などを通じて、人々が人生をよりよく生きるためのさまざまな活動を続けてまいりたいと考えております。今後ともご支援を賜りますようお願いいたします。

また、お手元に資料と共にお渡ししましたアンケートにご協力いただきますよう、お願い申し上げます。ご記入いただきましたアンケート用紙はお帰りの際に回収箱にお入れください。お帰りの際はお忘れものなどないようお気をつけてお帰りください。

本日は最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

 

 

 

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