上海での会議場は、上海世界博会議ホテルで空港からバスで15分程の便利なところにあった。ホテルの専用の部屋で昼食をとり午後からコンファランスツアーに出かけた。9月の上海は通常では爽やかとのことであるが、今年は異常気象で、連日30度を超す気温で、第5日目には今夏最高の気温36.8度を記録した。ソウルも暑いと感じたが、上海の暑さはシンガポール並というのが実感であった。数年前の上海を経験していた参加者は誰しも、上海の急激な発展振りに目を見張っていた。市を取り巻く高速道路がつい1ヵ月前に完成し、その環状道路の内側に高層ビルが100棟以上も林立しているという感じであった。新宿の高層ビル街などは恥ずかしくて話にも出せないほどである。人民広場と外灘(バンド)東側の公園を散策した。バンドは旧英国租界があったところで、郷愁をそそる建築物が並んでいる上海を代表する有名なところであるが、黄浦江を挟んだ東側に当たる対岸に21世紀を象徴するような高層ビル街が出現していた。デズニーランドにふさわしいようなテレビ塔と、420m83階の超高層ホテルが特に目についた。リアリティーとヴァーチュアルの狭間に立たされた感じであった。中国側主催者が、新しい上海を見てほしいという意図はよく理解できた。しかし多くの参加者が、ごみごみした雑踏の上海に旅愁を感じていたのも事実である。
レセプション、バンケット、朝食、昼食は全て会議場のホテルの専用の部屋で行われた。第4日目のレセプションは、野球ができそうなくらい天井の高い広い会場で行われ、スタンフォード大学出の女性の上海副市長が英語で挨拶を行った。ビール、ワイン等の酒類は飲み放題の立食パーティーであった。第6日目のバンケットも同じ会場で行われた。中国側主催者代表のSheng博士の乾杯ではじめられ、16品も用意された中華料理による豪華なバンケットであった。食事途中に上海雑技団によるアクロバットの妙技が舞台で繰り広げられた。小学生くらいの少女達が、人間業とも思えない妙技を見せてくれた。小説の世界の越後獅子を思わせるようで、少女達がかわいそうにも思えた。そのほか中国狂言も披露された。レディースプログラムは3回あり、第5日目午前に、古い上海を象徴する玉仏寺、淡水真珠を見学し、午後には新しい上海を象徴する上海大劇場と上海博物館を見学した。第6日目午前は、新しい上海テレビ塔見学で、午後から古くからある象苑商館見学を行った。第7日目午前は南京路でのショッピングであった。参加者は新旧の上海を堪能したが、暑さにはいささか参ったようである。第2回コンファランスツアーは、第7日目午後に行われ、無錫にある中国船舶研究中心の見学の後、現地で夕食会が開かれた。最終日とあって帰国する人も多く、参加者は半減したが、中国側接待の熱意が感じられる充実した内容であった。