【2】「盲導犬事業推進プロジェクト(仮称)」の設置
今回の「盲導犬に関する調査委員会」を受けて、新たに「盲導犬事業推進プロジェクト(仮称)」を立ち上げ、実現のための基盤作りを行う。また、すぐにでも具体的な活動を起こす必要があるものについては、活動拠点となる。
(1)メンバー
「盲導犬に関する調査」委員会メンバーに準ずる。
盲導犬に関わる幅広い陣容を想定し、既成の概念にとらわれず、盲導犬の普及と事業の発展に向けてメンバー全員があたることが基本になる。
(2)活動内容
1]短期的課題解決のための活動拠点として
課題「盲導犬の利用環境の改善」については、すぐにでも行動を起こす必要性のある項目が多い。その内容については、部会報告で詳しく述べているので、再度の記載は避けるが、「盲導犬使用者の人権侵害に関するアンケート調査」(全日本盲導犬使用者の会99年5・6月実施。資料後掲)にもみられるように、宿泊施設や公共交通機関、娯楽施設などの利用拒否は減少してきているとはいえ、まだまだ拒否事例は多くみられる。
こうした事態改善のための視覚障害者を受け入れる側の事業主を対象とした調査、その結果をベースにした盲導犬ユーザーへのマニュアル作成と配布などは、すぐにでも行うべき活動といえる。
また、都道府県及び政令指定都市の障害福祉担当主管課への「盲導犬110番(詳細は第三部会報告へ)」の設置は、今すぐにでも実現できる可能性の高い活動と思われる。
2]盲導犬総合センター(仮称)構想実現の準備機関として…
盲導犬総合センター設立実現に向けて、ハード、ソフト両面からの準備・研究機関として位置付ける。第一部会報告の「共同繁殖センター」で、盲導犬繁殖頭数のシミュレーションを試みているが、実際に建設するとなると、現実性のある精密な企画設計が必要である。
そのための国内、海外関係資料や事例の収集、分析を行う専門機関としての役割が考えられる。
また、「盲導犬情報センター」では、視覚障害者が自分のニーズに合ったサービスを選ぶための“情報開示”が重要であり、そのため盲導犬訓練施設8法人に対して、盲導犬ユーザーの視点による情報開示項目に合わせた情報の収集と蓄積を行わなければならない。その情報発信方法についても、盲導犬ユーザーあるいは盲導犬利用希望者が使いやすいことが第一であり、そうした研究も準備作業として重要である。
さらに、「盲導犬訓練士・歩行指導員養成センター」で使う“共通化カリキュラム”の研究・開発も設立に先立って必要な事である。