この調査は、ニューヨーク州に住む視覚障害者500人を任意に選び出し、現在の歩行方法や問題点、将来の盲導犬利用の可能性について、面接調査を行ったものである。これら500人の視覚障害者は盲導犬を利用することについて
○考えたことはない…63.0%
○考えたことがあるが、具体的な計画を持っていない…18.2%
○わからない…4.8%
○近い将来盲導犬を手に入れたい…2.6%
○盲導犬使用者である…6.0%
○答えない…5.4%
と考えていることがわかった。この結果から、調査スタッフは、盲導犬を希望しているのは視覚障害者全体の1%と推計した。そして、この程度の需要は既存の盲導犬訓練施設の育成能力で十分に対応できるという結論にいたった。しかしながら、スタッフとしてこの調査に関わったIrving Lukoff教授は、後年、状況はその時から大きく変化していることを認めている。その最も大きな変化が、70年代以降のリハビリテーション法をはじめとする法律が成立し、盲導犬の利用環境が整備されたことである。現在すべての州で、視覚障害者が盲導犬を利用することを理由として不利益を与えてはならないという規定が罰則付きで設けられている。
さらに1994年、(財)関西盲導犬協会が、京都ライトハウス鳥居寮修了生、日本ライトハウス職業リハビリテーション修了生、国立身体障害者リハビリテーションセンター生活訓練課程修了生、京都府立視力障害者福祉センター卒業生ならびに京都府内在住の視覚障害者を対象とした「盲導犬と外出に関する調査」(回答数628人、盲導犬ユーザー27人を含む)では、盲導犬利用について、
○考えたことがない…47.9%
○考えたが具体的な計画は無い…21.4%
○将来的に考える…14.6%
○できる限り早く持ちたい…2.9%
○無回答…7.1%
○その他…6.1%
(選択肢の表現によって構成比に相違があるが)という結果が得られた。概ね似たような傾向が認められる。とりわけ、盲導犬利用に積極的と思われる層については、調査の時期や地域が異なっているにも関わらず、3つの調査とも3%前後の数値を示していることは注目に値する。