図1 IMOにおける操縦性検討の審議の流れ
(1)のいわゆるPassive Approachに関しては最終的に1987年の総会においてA.601(15)“Provision and Display of Manoeuvring Information on Boad Ship”が決議された。このA.601(15)の内容はPilot Card, Wheelhouse PosterそれにInformation to be included in the Manoeuvring Bookletの3種から構成されている。
一方Active Approachに関しては、性能不足による海難事故を防止するという観点から操縦性能基準を設定し、性能不足の船を排除するという方法が取られた。しかしこの基準にはどのような指標を設定すべきか、あるいはその指標を設計段階でどの程度の精度で推定することが可能か等種々の問題が生じた。各国の検討の結果、結局次の5項目が操縦性能指標として取り上げられた。
1)Turning Ability (旋回性能)
2)Initial Turning Ability (初期旋回性能)
3)Yaw Checking Ability (変針性能)
4)Course Keeping Ability (保針性能)
5)Stopping Ability (停止性能)
これらの指標に対して、いわゆる基準値をどのように設定するかについては、1984年の第27回DE小委員会で作成された“設計段階で操縦性能を推定するための暫定的ガイドライン”がMSC/Circ.389として各国に回章され、これらの指標に対して設計段階でどの程度の精度で推定できるかの資料提供の協力が要請された。各国のデータを基に、また種々の検討を経て、1993年11月の第18回総会において操縦性能暫定基準A.751(18)(表1)が採択され、この暫定基準は1994年7月1日より5年間の暫定期間をもって適用されることになった。