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具体的には、小委員会で検討する事項はあらかじめMSC又はMEPCにおいて条約改正やその作業の必要性について厳しく審査し、必要性が認められたものに限り小委員会で作業を行うこと、必要な作業に十分な審議時間が投入されるよう小委員会の議題は実質的に審議内容のあるものについて議題は10に限定すること、全体委員会と並行して開催されるワーキンググループは最大3、ドラフティンググループは2に限定すること、中間会合の開催はMSC又はMEPCの承認がなければ行わないこと、コレスポンデンス・グループは委員会、小委員会それぞれ3に限定することと等が定められている。

 

(5)作業ガイドラインに関する我が国の対応

これらのガイドラインの具体的な内容は、我が国より原案を提出したものであり、現在、これらの厳しいガイドラインのもとに、条約改正の必要性等が審議され、検討を開始する必要性が十分説明できたものに限り、小委員会等で作業が進められる仕組みが定着している。

我が国が提案した、「ナホトカ」号事故の再発防止対策、TBT塗料の世界的禁止、小型船舶の汽笛・号鐘等に関するCOLREG規制の改正、救命艇及び救命いかだへの海水脱塩装置備え付け、操縦性基準の見直しの提案についても、このガイドラインに従い検討の必要性を説明し、検討の開始が認められたものである。

 

2. 今後のIMOの動向と我が国の対応方針

 

(1)総合見直し関係

現在IMOで審議されているSOLAS第II-2章(防火・消防設備)の総合見直し、第V章(航海設備)の総合見直しは、小委員会の審議がそれぞれ来年2月の防火小委員会及び本年9月の航行安全小委員会で最終化される見通しであり、予定通り審議が進めば、来年5月のMSC72で承認され、11月開催予定のMSC73で採択された後、2002年7月1日に発効することとなる。これらの総合見直しについては、小委員会レベルで我が国が取り付けた内容を確認しつつ、予定通りに条約の改正が発効できるよう対応することとしている。

 

(2)「ナホトカ」号事故の再発防止対策としての老朽船対策

我が国が提案した「ナホトカ」号事故の再発防止対策としての老朽船対策については、既に1997年11月のSOLAS条約締約政府会議で、我が国が提案した検査報告書に板厚の衰耗限度基準の記載を行うことが採択され、本年7月1日から発効している。

また、船体構造に関するPSCの強化として提案したPSCにおいて検査報告書を確認することや修理等のために次の寄港国まで航行を認める場合の措置等のPSCの手順に関する総会決議の改正については、11月の総会で採択された。

来年及び再来年の設計設備小委員会で検討することとなっている旗国が旗国検査に老朽タンカーについて縦強度評価を行うことを求める我が国提案は、旗国や船級協会が実施している規則の実態を踏まえ、実施可能性が十分ある提案を行い、その達成を図ることとしている。

 

 

 

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