石垣島・西表島及び周辺離島においてもオニヒトデが確認された地点は、全25地点中、西表島北西部船浮(調査地点番号:80)の1地点のみであった。
今回の調査結果を1993〜4年に実施された調査(沖縄県企画開発部、1993,1994)結果と比較すると、沖縄島においては西海岸域が東海岸域より多く分布する状況や宮古島及び周辺離島、石垣・西表島及び周辺離島でほとんど分布しない状況が同様な結果となって現れた。1996年から1997年にかけて思納村や渡嘉敷村慶伊瀬島周辺において大量発生していたとされており(新垣、1998)、次章に示すアンケート調査結果においても沖縄島中北部海域及び慶良間諸島海域における目撃情報が結果となっている。しかし沖縄県の実施している駆除事業や1998年のサンゴ白化現象の影響からか、今回の調査においては局所的(読谷村残波岬北岸、渡嘉敷村ナガンヌ島北岸)に他の調査地点より高い確認個体数であったが、県内全域に及ぶ様な分布は確認できず、オニヒトデ個体群の異常発生は沈静化していると思われる。石垣・西表島及び周辺離島に関しても1998年においては120調査地点の内3地点のみしかオニヒトデ分布していない(八重山サンゴ礁保全協議会、1998)事からも今回の調査結果と同様、沈静化していると考えられる。