二つめは文献だけではイメージがつかめなかったものが、理解できるようになったことです。神経内科の授業で脳のスライス画像がでてきてもようやくわかるようになりました。
三つめは病気の恐ろしさです。肝癌で亡くなられた方を担当したのですが、見た目には筋骨隆々としていて、とても健康そうなのに、肝臓は癌細胞に蝕まれ、死に至るという現実を実際目で見たショックは大きかったです。
今回の実習で得たものはとても多く、また自分の勉強不足を再認識させられました。そのような学生を親切に、丁寧にご指導いただきました先生方に本当に感謝しています。解剖実習の経験を今後の勉強に活かし、作業療法士として成長していくことで献体していただいた方にもお礼ができたらと思います。
「解剖学実習を終えて……」
与謝野明
入学当時から、いや入学以前、歯科医師を目指すようになった頃から、その日が来ることをずっと想像していた。そうしてやって来た解剖学実習の日。周りからの噂や情報が先行し、不安と恐怖を胸に抱いていた。しかし、それ以上に、普通では経験できない貴重な体験、これをのがしてはいけないという思いからあふれる期待とやる気、そんな複雑な思いを抱きながら始まった実習。