また、本実習を通じ多くのことを習得することができたという達成感は、日を追うごとに大きな自信となってくるとの予感がしております。
私に課せられた課題は、まだまだ始まったばかりです。この課題は、今後医療に従事していく限り続いていくものと思います。しかし、いくら長い時間が経過しようとも、今のこの気持ちを忘れることなく努力し続けて行かねばならないと考えています。
解剖学実習初日を終えて
菰池信彦
国領校での一年半の間から少しずつ解剖学の知識は蓄えてきたつもりではあったが、実際に御遺体を前にすると、それらの知識など忘れてしまうほど頭の中が真っ白になってしまった。それは、私のこれまでの二十年間の人生において人の遺体を見たことがなかったこともあるが、何よりも、自分の目の前に横たわっている御遺体の生前をいろいろ考えたからであろう。私が解剖させて戴く御遺体は私の母とほとんど年齢も変わらない女性であり、自分の母が解剖されるような錯覚に陥った。