レポートに認が出た後も破格がでたこともあって、スケッチは続けた。
実習を終えた今、なおも私は献体された方の魂に思いは及ばない。しかしその方の好意に基づき解剖させていただき、多くのことを学ばせていただいた事実は何より確かなものとして感じられ、ふと全て──御遺体、指導してくださった先生方、友人等全てを含む状況──に感謝したい気持ちになるのだ。
最後に、先に書いたことと一見矛盾するような、筋の通らない事を書くが、これも私の心の底からの思いなのでここに記し、留めておきたい。
医師を志し、スタートラインに立つ私に、自ら直接的資料となって体を提供してくださったその方に、その行為自体に頭が上がらない。御恩に報いるためにも私はなげやりにはなれないと思う。解剖学実習で得たもの、それは知識と今のこの心だ。
解剖学実習を終えて
青木淳哉
浅野さわこ
粟野宏之
石川真保
私達は約二ヶ月半にわたる解剖学実習を昨日、無事に終えることが出来ました。