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第VI章 ターミナル18施設の財務分析

 

この章では、今のリース方式を採用した場合に、あるオペレーターがT18の運営によって生じる収入と出費を仮に見積もってみる。これは借り手の実際の業績を予想するものではなく、むしろ関連業者間の業務がオペレータの目から見てどのように実施されるかを例示するものである。(オペレータである)SSA (Stevedoring Services America)もSSAT (SAA Terminals)も、関連事業者のT18に対する計画・戦略・予測については秘密保持の立場をとっている。

 

A. ターミナル収入

 

オペレータはT18の運営により幾つかの収入源をもつ。主なものはコンテナの取扱高によって、コンテナの個数ごとに課金するものである。他の収入源としては、鉄道施設使用料とアクセス料、係船岸壁使用料、コンテナ整備費用、それにコンテナ保管料である。T18における収入の構成要素と予測値に関して以下に議論していく。

 

1. 取扱高収入

T18オペレータの主な収入源は船からのコンテナの荷下ろしと船への積み込みによる荷役費である。これは船社側との交渉によりその料金が取り決められ、船社によって異なるものである。この分析を行うために、産業界の専門家の情報に基づき実入りコンテナ当たり200ドルの平均荷役料を想定する。空コンに対する荷役料は一般的にこれよりわずかに低い値段である。この分析で、空コン荷役料を1個当たり190ドルとする。

T18の予想される売上高は例示表1にその計算を示している。この予想値は(第V章)表12に示すコンテナ取扱量の基本予測に基づいてなされた。そして、実入りと空の推定比率は港湾当局と港湾運営に明るい関係者からの情報に基づいている。

例示表1は取扱収入が1999年では45,701,000ドルであるが2005年には91,826,000ドルに増えることを示している。この分析を行うに当たって、コンテナ当たりの推定荷役料はインフレ率と同率で上昇するようにしている(この分析では年率3.0%とした)。現在コンテナ市場は非常に競争的であるが、ターミナルオペレータと船社間の料金協定は運営費における変動に対して自動的に調整されるようになっているのが通常である。そうすれば、労務費の上昇やターミナル18リースにおける貸付料の段階的な上昇を船社側に転嫁させることができる。さらにもし需要が(取扱)能力を超える場合があれば、より高い料金を取ることで対処できるのであれば、インフレ率を超えるレートで収入を増やすこともありうる。

2. その他のターミナル収入

取扱高収入の他に、T18のオペレータは鉄道施設料、鉄道コンテナ扱い料、係船岸壁料、そしてコンテナ整備料から収入を上げることができる。例示表2はT18オペレータにもたらされるコンテナ取扱以外の収入を取りまとめて予測したものである。その他のターミナル収入は1999年で5,100,000ドル、2005年で6,089,000ドルと予想される。

 

 

 

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