2] 船橋当直限定、機関当直限定(法第5条第4項、規則第4条第3項)
いわゆる近代化船において、甲板部又は機関部の航海当直等を行う船舶職員である「運航士」の職務に対応するものである。海技士(航海)及び海技士(機関)の資格の免許の際に、それぞれ、近代化船において行うことのできる職務の内容を船橋当直又は機関当直に限定するもので、三級海技士(航海、機関)について行われる。
3] 機関限定(法第5条第5項、規則第4条第4項)
船舶職員として乗り組むことのできる船舶の機関の種類を限定するもので、二級海技士(機関)以下の資格について、内燃機関について限定を行うものである。
4] 船舶の設備その他の事項についての限定(法第5条第6項、規則第4条第5項)
船舶の設備その他の事項についての限定とは、小型船舶操縦士の免許について免許を受ける者の身体の障害の程度に応じて以下の限定が行われる。
(i) 設備限定
障害の程度に応じて、一定の操舵設備、機関の操作装置等を備えた船舶にしか、船長として乗り組めないとするもの。
(ii) 航行することができる時間帯についての限定
強度の色弱であっても航路標識の彩色を識別できる者(規則別表第3)に、船長として航行できる時間帯を日出から日没までの間に限るもの。
5] 区域出力限定(法第5条第8項、規則第4条第6項)
区域出力限定とは、湖、川等のみを航行し、かつ、出力が10馬力未満の船舶にしか船長として乗り組むことができない、とするものである。
設備限定及び航行することのできる時間帯についての限定は小型船舶操縦士について、区域出力限定は5級小型船舶操縦士について行われる。
4 免許の要件
1) 概説
海技士(航海)、海技士(機関)、海技士(通信)及び海技士(電子通信)の免許は、海技従事者国家試験に合格し、かつ、その資格に応じて運輸大臣が指定する講習を受けた物に対し与えられる(法第4条第2項)。