日本財団 図書館


表2.4.3.2 結果の重大性の指数の定義

050-1.gif

 

表2.4.3.3 頻度指数(FI)の定義

050-2.gif

 

(3)防火規則へのFSA適用のまとめ

船舶居住区域内の火災発生危険性(ハザード)を調査し、SOLAS条約第II−2章がその危険性に対応する措置を取っているかを検討した。居住区域の火災は、旅客船では火災探知器の設備義務付けにより発見する考えが導入されているが、貨物船では船員により火災発生を容易に感知できることが前提となっている。

火災ハザードと頻度の組合せにより、重大性のレベルが比較的大きい「3」となるのは、調理室での発火と、タバコによる発火である。

タバコによる発火の多くは、焦げを作る程度であって結果の重大性は少ないと考えられるが、寝具類、ソファあるいはクッション付のイスでは、タバコによる燃焼が持続して火災に至る懸念もある。寝具類、ソファあるいはクッション付のイスの着火性については、火災の危険性が少ないと定義できる船室以外では制限がないが、これらの物品がタバコで着火しないことを求めることはさほど困難なことではないであろう。この点については、コスト・ベネフィット解析をすることも有用であろう。

調理室では、調理用の油及び料理そのものに引火することは、通常起こり得るという回答があった。料理の場合には容易に消火できる。油の場合には、Deep Fat Cooking Equipmentでは消火装置の設置の義務付けがある。その他の場合でも、持ち運び消火器で比較的容易に消火できるという回答があった。

小型の内航貨物船で火災事故例が多い電気ヒータは、大型貨物船及び旅客船では使用されないと考えてよいであろう。熱を放射する電気ヒータは、可燃物へ着火しないように配置して固定することになっている。

船舶居住区の発火ハザードを同定して、SOLAS/II−2章においてそのハザードに対する措置ができているかを考察した。なお、ここでは放火については考察していない。放火は旅客船について考えればよいと思われる。放火に対しては、煙及びその他の火災感知器あるいは公室、通路等のTVモニタによる火災探知によって、火災発生を早期に発見する必要があろう。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION