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(3)ハザードの同定

本研究では、評価対象が内的原因(衝突・座礁等による2次的火災爆発は除く)による火災爆発事故であり、原油または原油蒸気の漏洩着火に評価範囲を限定していることから、ハザードの同定として、1]原油または原油蒸気の漏洩原因の同定、2]漏洩の可能性の検討、3]着火源の存在の同定、4]火災爆発の緩和、拡大要因の同定を含めた火災爆発シナリオの同定を行った。

また、FSA暫定ガイドラインではハザードの順位付けを行うことになっているが、リスク評価以降の検討にとって特に必要と考えられなかったので実施していない。表2.3.2.4に上甲板における原油または原油蒸気の漏洩原因、ポンプ室内における原油または燃料油の漏洩原因、着火源の例を示した。火災事故シナリオ等は過去の事例分析から推定し、ヒアリング調査時に確認した。結果を表2.3.2.5に示す。

 

表2.3.2.4 上甲板における原油または原油蒸気の漏洩に関するハザードの同定結果の例

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表2.3.2.5 過去の事例分析から推定される火災爆発シナリオ等の概要

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(6)リスク評価

−1)初期事象の検討

漏洩規模や漏洩後の事象展開を考慮し、実際のリスク評価で設定した初期事象は1]上甲板における原油の少量漏洩、2]上甲板における原油・原油蒸気の大量漏洩、3]上甲板における原油蒸気の少量漏洩、4]タンク内における爆発性混合気の形成、5]ポンプ室内における原油の漏洩の5つである。図2.3.2.3に初期事象に対するFTの一例を示す。

 

 

 

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