MSC72は、SOLAS第V章とともに、SOLAS新II-2章案及びFSSコード案を審議し、条約改正のための6ヶ月回章に付す予定である。さらに、平成12年12月に開催される予定のMSC73にて、拡大海上安全委員会を設けて、これらのSOLAS条約改正を採択し、2002年7月1日発効を目指すこととなっている。
2.9 今後の課題
FP44にて、FPにおけるSOLAS新II-2章案及びFSSコード案の審議は終了した。但し、SOLAS新II-2章第17規則関連のdraft Guidelines for proving equivalence of alternative design and arrangements to SOLAS Chapter II-2は、非強制の勧告とし、その内容は2001年1月に開催される予定のFP45にて最終的に完成させる予定である。
FP44では、現行SOLAS II-2章への統一解釈については、重要な部分はSOLAS新II-2章案に盛り込んだという理解の下に、SOLAS新II-2章案への統一解釈作成作業は同改正は発効してから行うべきとするサイプラス及びリベリアの意見が支持されたため、SOLAS新II-2章案に対する統一解釈整理作成作業は当分の間、行なわれないこととなった。しかしながら、現行SOLAS II-2章への統一解釈の内、SOLAS新II-2章案へ盛り込まれなかった部分は依然としてSOLAS新II-2章案及びFSSコード案に関連付けて整理しておく必要があると思われる。
文献
(1) 金湖富士夫、大田進、戴 暁旬、福元正明、船舶の確率論的安全評価手法−その2: FSA実現のためのリスク評価の方法論、日本造船学会論文集Vol.186 6-3、1999