1. はじめに
1974年の海上人命安全条約(74SOLAS)の第II-2章「防火、火災検知及び消火」の総合見直しの必要性について、IMOの防火小委員会(FP)はその第38回会議(1993年6〜7月)において合意し、IMOの海上安全委員会(MSC)の第63回会議(1994年5月)はその総合見直し作業のFPによる着手を承認した。このSOLAS/II-2章の総合見直し作業は、FPの第39回会議(1994年6〜7月)から開始された。
(社)日本造船研究協会の第73基準研究部会(RR73)(平成7年当時は第7基準研究部会第3分科会)は、船舶の防火に関する調査研究を行ってIMOにおけるSOLAS等の防火規則の検討に対処して来ているが、国内にてIMO・FPのSOLAS/II-2章の総合見直し作業に対応して調査検討作業を進めるために、平成7年度にその内部に第3小委員会(RR733)を設置した。この小委員会は平成8年度も継続した。平成9年度には、(社)日本造船研究協会内の基準検討部会の再編成があり、RR733に変えてその作業を継承する「SOLASII-2章総合見直し作業部会(WG)」をRR73の下に設置した。
当報告書は、このRR733小委員会及びRR73SOLAS/II-2章総合見直し作業部会(WG)の5年間にわたる調査研究成果と、その目標であったSOLAS新II-2の構築作業に関して報告する。