(6) 海洋法条約第12部7節の保障措置のなかの特に228条、参照。
(7) S. Rosenne, League of Nations Conference for the Codification of International Law(1930), p. 1415.
(8) コルフ海峡事件における国際司法裁判所の判断は、当時、海洋法条約草案を起草する任にあたっていた国際法委員会における意見の対立を助長したとされる。たとえばLauterpachtは、コルフ海峡事件判決がいうような航行の態様(manner)ではなくいかなる行為(acts)がなされたかが問題であり、沿岸国の安全にかかわるような場合を除き、沿岸国法令に違反する特定の行為のみが通航の無害性を失わせるとのべた。これに対してFitzmauriceは、船舶がいかなる行為を行ったかではなく、当該船舶が沿岸国の安全を害したと判断されるのであれば、その通航は有害となると主張した。最終的に国際法委員会は、「沿岸国の安全を害する行為、または本規則または他の国際法の規則に反する行為」を行わない限り、通航は無害であるとする草案を起草したが、そこにおける「本規則」は、国際法委員会の注釈によれば、沿岸国の公衆衛生、出入国管理、関税、財政、漁業その他の領海からの産物の保護に関する沿岸国法令に関する通航船舶の遵守義務を定める規則を指すとされている。Churchill and Lowe, ibid.、参照。
(9) 14 Law of the Sea Bulletin(United Nations), 1989, 12-13., 28 ILM(1989), p. 1444.
(10) フランスのDecret85/185(「フランス領海の外国船舶による通航を規制する1985年2月6日の政令」)は、海洋法条約19条2項の列挙を政令に取り込む際に、19条2項(l)を本文に取り込み、同項(a)〜(k)に該当する事項を列挙するという規定の仕方を採用して、次のように規定している。
Article 3 Passage is innocent so long as it is not prejudicial to the peace, good order or security of the State.
Passage of a foreign ship shall be considered to be prejudicial to the peace, good order or security of the State if in the territorial waters it engages in any activity not having a direct bearing on passage, including: [1.〜11.]