第6章 リサイクル拠点整備実現における課題
(1) 課題の整理
これまでの章では、都市の持続的発展のためには、都市で発生する廃棄物を域内で処理する施設整備が必須で、さらに資源の有限性の観点から、廃棄物から再利用できるものは可能な限り分別、再生利用し、循環型経済システムを構築するという立場に立って、リサイクル拠点整備の必要性を検討してきた。神戸港湾地区でリサイクル拠点を整備する場合の対象となる廃棄物の種類・量も数字で把握でき、整備すべきリサイクル施設の内容などについても、これまでの調査研究で大筋が把握できた。
こうしたニーズ面からのリサイクル施設整備必要性の上に立って、神戸港湾地域でこれら施設整備を実現するには、何が課題であり、その解決のためには誰が、何をするのかを整理しておかなければならない。そこで、以下の項では、課題として考えられることを抽出し、その問題の在り処がどこにあるのかを指摘しておきたい。
その対策まで触れるのが、この研究会に要求されている検討内容と考えられるが、難しい対応を要求される問題が多く、軽軽に対応策を打ち出せることではない。したがって、ここでは、問題点の記述に主眼をおき、対応策はその検討の方向性を示すに留めたい。
検討委員会で指摘された問題点は、以下のようなものである。
1]循環型経済システム構築をうたっているが、循環型経済システム全体のビジョンづくりが必要ではないのか。循環型経済システムでは、リサイクルは一部に過ぎず、今回の検討はリサイクルに偏りすぎではないのか。
2]まとまった廃棄物があるとの前提からリサイクル施設整備の議論をすすめているが、廃棄物をどうやってまとめるのか、その費用負担を公平に徴収するのはどうしたらよいか、という前段の議論が必要ではないか。
3]関西のリサイクル拠点がなぜ神戸港なのか。神戸のオリジナリティはなにか。
4]リサイクル拠点運営には経済性の視点が重要であり、他地域との競争でもあるはずで、神戸港湾地域での競争力の源泉は何か。
5]港湾地区は種々の制約があり、リサイクル事業は難しいとも言われているが、それはクリアできるのか。