4-5 使用済み自動車リサイクル
北九州市響灘エコタウン内にある西日本オートリサイクル(株)を例にとって、先進型廃自動車リサイクルの実施例を記す。
【西日本オートリサイクル(株)の概要】
1]所在地:北九州市若松区響町1丁目62
2]資本金:1億円
3]出資者:吉川工業(株)、三井物産(株)、新日本製鐡(株)、日鐵運輸(株)、九州メタル産業(株)
4]敷地面積:20,000m2 延床面積:4,527m2
5]処理能力:1,000台/月(1直)
6]要員:表-4・3
7]設備投資金額:9.5億円
8]操業開始:平成12年1月
【事業内容】
従来の廃自動車リサイクルは、全国に5,000〜6,000社と言われる家内工業的な解体事業者により、野積みされた廃自動車から外装パーツ、機能パーツが分解回収された後、シュレッダー事業者により粉砕、金属分の回収が行われ、そのリサイクル率は75%といわれている。しかし、シュレッダー処理された鉄スクラップには電気配線等に由来する銅成分が0.5%程度混入しており、電気炉の製鋼段階で悪影響があり、良質な鉄鋼材料に再生できないという問題があった。また、25%程度排出されるシュレッダーダストは埋立て処理され、そこからの鉛・水銀・硫化水素等の浸出による土壌汚染が問題となっている。さらに廃油・冷却水などの土壌汚染もあった。そして、シュレッダーダストの埋立てが安定型処分から管理型処分に規制強化され、その処理費用が増大したこと、スクラップ価格の長期低迷により、解体・シュレッダー事業者の経営を圧迫する状況に陥っている。そこに、通産省のリサイクルイニシアティブや業界の自主行動目標によってリサイクル率向上の必要性が高まっている。
そこで、新日本製鐵(株)の協力会社である吉川工業は3年間をかけて、自動車の適正分解法の研究を行い、その成果を盛り込んで工場設計を行っている。その工程図を図-4・7に示すが、一直線のライン上で、種々の手分解による回収が行われ、最終的にはサイコロプレスと呼ばれるプレスによって一辺60cmの立方体に成形され電炉メーカーに出荷される。シュレッダーにかけないことで、シュレッダーダストの発生は無い。また、部品として回収した以外のプラスチック類はスクラップの中に約15%の比率で閉じ込められ、電気炉で燃焼してしまう。鉄スクラップ中の銅含有率は0.04%まで低減する事ができ、現在0.1%以下を保証値としている。