(4) 使用済み自動車リサイクル
1]使用済み自動車処理
県別の自動車登録台数データから、廃プラスチックで行ったのと同じように、人口比率で関西地域、瀬戸内地域の1997年時点での廃車台数を推計したものが、表-3・26、3・27である。保有台数はここ数年微増に留まっているので、廃車台数は将来もこの程度の数字で推移するものと考えられる。廃車台数は、瀬戸内で約60万台/年、関西で約80万台/年である。
現在、廃自動車は主にディーラーを通じて、ほぼ100%回収され解体事業者、シュレッダー事業者によって約75%のリサイクル率で有価物が再資源化されている(第2章図-2・34参照)。残りの25%がプラスチック、ガラス、繊維、ゴム、金属類等の混ざったシュレッダーダストで、現在は管理型最終処分場に埋立てされている。
自動車製造業界は、通産省が1997年5月に打ち出した「使用済み自動車リサイクル・イニシアティブ」を受けて、自主行動計画を策定し、2002年以降リサイクル率85%以上、2015年にはリサイクル率95%以上を達成するとしている。
このような高いリサイクル率を達成するために、業界では、シュレッダーダストを処理して有価物を再生産する技術開発を進める一方、解体・リサイクルしやすい構造設計や材料表示、材料統合などを進めながら、解体時の有価物取出しを徹底しておこない、部品リサイクル、材料リサイクル率を高め、シュレッダー(粉砕機)にかける量をできるだけ減らす方向が示されている。シュレッダーダストを減量して行くにはプラスチック類の再生処理も重要な課題になる。したがって、これからの廃自動車処理施設は従来の「力ずく」で有価物を取り出す方法から、製造工程を遡上して部品から材料までを効率よく分別して行くソフトな方法に変換することが求められている。今後は、リサイクル率向上を達成できない処理事業者には処理委託がいかなくなるという事態も十分考えられ、近年、立ち上がった廃自動車処理工場では業界の目標リサイクル率を前倒しで達成する先進的な取組みがなされているケースもある。特に、リサイクルを事業戦略の柱に据えているドイツの自動車メーカは、自社の立てた目標リサイクル率を達成できる日本国内の使用済み自動車処理事業所を認定工場として承認し、処理を寡占的に委託し、目標リサイクル率を確保する方法がとられている。さらに、ここから取り出された部品は、アジアの生産工場で厳しい品質チェックを受けた後、補修部品として市場に送り出すシステムが構築されており、日本の自動車メーカもこの方向でリサイクル率を高めざるを得なくなると考えられる。
また、廃自動車から排出される環境汚染物質であるエアコンからのフロン冷媒、廃油、有害物であるエアバッグからのアジ化ナトリウム、鉛蓄電池等の適正処理も徹底する必要があり、これらを効率よく処理できる環境が整備されていることが、これからの使用済み自動車処理事業には求められる。