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II. 視察報告

 

1. ヤマト運輸

 

民間宅配事業の内、約48%のシェアを占め、年間780百万個の宅配を扱っている。宅配事業の効率化を進めるため、早くから宅配事業の関わる情報化投資を進めてきた。主たるものに、クロネコヤマトの荷物お問い合わせシステムや、ヤマトブックサービス等、インターネット上で荷物の所在の確認や、出版物の発注が可能となっている。近年、ネット企業の一つとして位置づけられている。

 

(担当者との質疑応答、意見交換の要旨)

・情報システムについては従来から取り組んでおり、目新しいものではない。

・宅配業を実施した際、顧客からの貨物の問い合わせが頻度高くあった。その場合、いちいち個別の伝票をくり直し相当の労働力をつかっていた。これを防ぐため、貨物の所在を確認するための情報化を導入した経緯がある。

・貨物の所在を確かめる荷物お問い合わせシステムのうち、航空便は8ポイントでチェックをしている。自社トラックや飛行機での搭乗時等。これにより所在を確認することが可能となった。

・荷主はインターネット上で伝票番号を入力することにより全てチェックできる仕組みとなっている。また、iモードでも可能としている。

・従来問い合わせも電話により対応していたが、インターネットが広がったことにより電話口の対応人員の削減が大幅に出来、コスト削減に寄与する結果となっている。最近、インターネットによる問い合わせが急増している。また、大手荷主に対しては直接、問い合わせ専用の端末を貸与したり、EDIによりデータを直結している。

・ヤマト運輸全体のインターネットの体制は本年5月末での完成を予定している。これにより、全てオープンなネットワークシステムに変わる。現在、ヤマト内で端末が11万台稼働している。

・システムの更新は現在、5年おきに実施している。システム投資には投資リスクと機会喪失を併せ持つ。近年、システムのバージョンアップが激しいため、3年更新でも良いぐらいと考えている。

・しかしながら、投資に対するリスクは多大であるため、ASP(コンピュータ、ソフトメーカー等がソフトを用意しそれを借り受ける)型のシステム更新が今後は望ましいかもしれない。

・現在、コールセンターシステムを構築中である。顧客への対応を専門にする部署である。これにより顧客からは対応が良くなったと評判である。ここでは集荷、配送の受付、ドライバーへの指示等をおこなっている。

 

 

 

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