6. 神戸地域における物流情報化の方向
1) 国内における物流情報化の取り組み事例
ここでは、物流情報化の取り組み事例として、わが国で最先端の物流情報システムを構築している日本通運(株)とヤマト運輸(株)の事例を紹介する。
(1) 日本通運による取り組み事例
日本通運では、物流の情報化に早くから取り組んでおり、社内にシステムエンジニア等を擁する専門の部署を有する。また、投資額も年間売上高の1%弱の規模となっている。
1]物流情報システムの枠組み
日本通運の物流情報システムの特徴として、国内物流情報システムに加え、海外の物流情報システムが併設されている点や、顧客物流に対応した物流情報システムに加え輸送モード別に物流情報システムが構築されている点にある。
・情報インフラ
社内向けイントラネットに加え、国内外拠点との情報通信ネットワーク網が整備されている。
・顧客物流
それぞれの顧客に対して、パッケージソフトの活用等によりカスタマイズ化している。
物流パッケージソフト、顧客別・商品別システム等がある。
・国内輸送モード別
日本通運は国内物流に関して道路、鉄道、航空、内航と様々な輸送モードを利用しており、それに対応する情報システムを作り上げている。また、それぞれの輸送モード間の調整を行うため、区域ごとの輸送調整情報システムを構築している。
・海外物流
国際航空輸送、海上輸送に関する情報システムに加え、海外からの調達物流の管理システム及び、海外拠点等での在庫管理システムを構築し、海外物流における効率化を支援する物流情報システムを構築している。