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5) 大阪ベイエリアにおける地域物流システムの問題点

 

荷主企業にとって物流の効率化は、一般的にコスト削減と生産性の向上によりもたらされる。それに対して、現在、ベイエリアでの地域物流システムの問題点として以下の点を挙げることができる。

 

1]スケールメリット効果が限定的(京浜に比べ)

国内貨物の発生集中量、国際貿易額等からみて、京浜と比べた場合、大阪ベイエリアは物流量スケールの点で、かなり小さい。これは、例えば、国際航空ネットワークにおいて、成田空港と関西国際空港とを比較した場合、便数、方面にかなりの差があることに現れている。

・経済規模等の要因に基づく、京浜との相対的な物流量が少ない

・神戸港など、物流拠点インフラの取扱量の減少

・京浜の港湾、空港を介した国際物流の存在(特に輸入)

 

2]物流ハブ機能の低下

阪神・淡路大震災以降、神戸港の貨物が戻りきらず、国際的なハブ港としての位置付けが低下している状況にある。ハブ機能の低下は物流業などの体力低下等や、利便性の喪失につながる。

・神戸港におけるハブ機能の低下

・関西国際空港のハブ機能の低迷

 

3]内部に比べ立地コスト等、操業コスト高

企業にとって一般的に物流施設はコスト施設であることから、それほど、コスト負担力は高くない。しかしながら、現況でのベイエリアは用地コストが内陸部に比べ高い等、立地や操業を阻む環境にある。

・用地コストの高さ 等

 

4]アウトソーシング機能の未立地

荷主企業における物流の効率化をサポートする物流企業の活動が関東に比べ、それほど多くない。

・アウトソーシング拠点立地の未展開

・自社物流効率化のための施設整備が大半

・東京等での3PL事業化例が多数

 

 

 

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