7. まとめ
1) 夏季の現場調査の結果によると、湖内の水質は干潮時にDO、T-N、T-P、クロロフィルaなどの値が高く、逆にDINの値は低かった。水道部では、東側のSt.8では調査期間を通じて潟湖内の水質と大きく異ならなかったのに対し、西側のSt.9では調査開始時に低塩分でT-NやDINの値が高く、河川水が水道部西側を通って外海に流出していることを示していた。植物の分布についてみると、アナアオサは潟湖中部から南部、アマモは北部に多く分布しており、付着藻類の分布はほぼ一様であった。
2) 松川浦ではヒトエグサ、アナアオサ、アサリ等が漁獲されており、アナアオサはほぼ周年、ヒトエグサは養殖の行われる冬季から春季、アサリは春季から夏季にかけて漁獲されていた。漁獲によって潟湖内からの取り上げられる物質量は、1年間に炭素では56,881kg、窒素では4,197kgと計算された。
3) 潟湖をひとつのボックスとして半日の物質収支を算定した結果、水中の窒素、リンはともに潟湖内で消失しており、消失量は窒素で12.62mg/m2/hr、リンで0.17?r/m2/hrであった。
4) 消失に寄与する要素としては生物による取り込みが大きく、なかでも付着藻類とアサリによる取り込みが大きかった。