日本財団 図書館


(C) 3種類の化学物質(標品)の培養細胞に対する毒性・障害性試験への適用

 

【実験方法】

本節では選定した3種類の化学物質、ペンタクロロフェノール、トリトンX-100、そして3-エチルアニリンを添加した時の細胞に与える影響をLDH試験と細胞増殖に対する阻害活性試験で評価した。

前の節において溶出溶媒で行ったように、各々の物質を段階的に希釈した系列を作製し、3種類の細胞株の培養系に添加して細胞の変化を調べた。

添加量は培養上清に対して1%となるようにした。各化学物質の濃度は添加した時の最終濃度で以下の通りである。

ペンタクロロフェノール(μM):0.1、1.0、10、100

トリトンX-100(%):0.O01、0.01、0.1、1.0

3-エチルアニリン(μM):10、100、1000、10000

これらの濃度の設定は文献などを参考にしながら、確実に毒性が出るであろうと考えられる濃度を含む形で4段階に定めている。

希釈のための溶媒は、ペンタクロロフェノールと3-エチルアニリンはエタノールを用いた。トリトンX-100の希釈には蒸留水/エタノール(1:1)の混液を用いた。その他の測定法法については、前の節と同様とした。

 

【結果および考察】

1. ペンタクロロフェノールの培養細胞に対する障害性

LDH試験を行った結果、ペンタクロロフェノールの濃度依存的に細胞障害性が検出された(図13〜図15)。3種類の細胞株の間で障害率に違いは認められたが、基本的な傾向は同様であった。0.1、1.0μMの濃度ではほとんど障害性は認められず、例えばHeLa細胞では92%以上の細胞が生存していた。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION