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・秕

 

もどり(乾燥が不完全)(after tack):塗膜が完全乾燥せず粘着性を有していること。一度乾燥した塗膜に再び粘着が生じる。原因は展色剤の油成分の不良、下塗りが充分乾燥しないうちに、次の塗装を行ったり、厚すぎる塗膜、低温、高温の場合などが考えられる。

もらいさび:錆が雨などで流れて他に移り、実際は発錆していないのにさびているように見える状態。

 

・臂

 

焼け:白色塗膜が暗所(高湿度の場所)で徐々に黄色く変色する現象。油性塗料、乾性油を含むアルキド、合成樹脂調合ペイントなどで見られる。エポキシ樹脂塗料やポリウレタン下塗り塗料では明るいところでも黄色く変色する。「黄変」ともいう。

 

・饐

 

ライニング:環境から遮断するため金属表面を有機物、無機物、金属などで比較的厚く被覆すること。コーティング(塗装)も近年、厚膜の重防食、超重防食ができたのでライニングとの境界が重なり合ってきている。

ライン塗装:被塗物をコンベヤーラインに乗せて塗装する方法。単位時間の生産量が上がる速乾形塗料もしくは加熱速乾形塗料が使われる。

 

・鷯

 

リーフリング:アルミニウムペイント、MIO塗料、ガラスフレーク塗料などで、それぞれの木の葉のような薄片状顔料が、塗膜中に魚がうろこをつけているような状態に並ぶ現象。環境からの遮断がより効果的になる。また、このような状態になるように調整された顔料のこともいう。

リフティング:塗料を塗り重ねたときに、下塗り塗膜が上塗り塗料の溶剤に浸されて小さなしわや割れが生じる現象。

リバリング:顔料が缶内部において固まる度合いを表わす言葉で、肝臓のような状態に固まった場合をいう。

 

・?

 

レベリング(leveling):塗った後の塗料が流動して、平らで滑らかな塗膜ができる性質。

レジンモルタル:エポキシ樹脂などの合成樹脂を結合材として、ケイ砂などの骨材を配合したセメント。

ルタルセメントのように吹き付けで厚膜に塗れるので、海洋構造物、護岸パイル、橋脚等の沫など、干満帯の長期防食材料として注目されている。

劣化:高分子材料の品質が低下する現象。膨潤(swell)や亀裂(crack)を伴う場合が多い。このほかに高分子材料に限らず塗膜の劣化は慣用的に使われる。

 

・?

 

露点(dew point):一定量の水蒸気を含む空気が冷却されて飽和状態になるときの温度。この温度以下になると水蒸気は液化する。この現象を結露という。湿度、気温と被塗物表面温度に左右される。

老化(aging):劣化と熟成(コロイドの老化など)の意味がある。

 

・?

 

ワニス(varnish):天然樹脂または合成樹脂を溶剤に溶かしたもので、溶かされる樹脂類の種類及び溶剤の種類等で各種の呼び名がある。例えば、天然樹脂及び合成樹脂に乾性油を融合し、ドライヤーを加え、溶剤で希釈したものは油ワニスと呼ばれる。

われ:塗膜に裂け目ができる現象。深さによって、浅われ(checking)と深われ(cracking)とに分類される。「チェッキング」「クラッキング」の項参照。浅割れと深割れは、さらに形状によって、次のように分類する。

綿状割れ:ほぼ平行な直線状のわれ

鳥足状割れ:鳥の足跡のように中心から約120度の開きで3本に枝分かれする割れ

S字状割れ:S字又はC字に湾曲する割れ

不規則割れ:一定の形状や方向性をもたない割れ

 

 

 

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