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3.3 運航の改善策に関する調査

 

3.3.1 減速航行(SLOW STEAMlNG)に関する調査

 

船舶の主機の負荷率は、プロペラ則により航行速度の3乗に比例することが一般に知られている。このため、運航速度を90%に減速した場合、運航時間の増加を差し引いても、負荷率は80%程度となり、SFCがその負荷域内で一定であれば、直接燃料消費量の削減につながる。実際には、プロペラやターボとのマッチングなどにより、削減の程度は理論値の8〜9割程度に収まることが多いといわれる。

現在の運航パターンにおいては、コンテナ運航を中心に高速化志向にあると言われ、減速航行を行ってまで運賃コストを抑える傾向は石油ショック直後よりは薄れている。それでも、VLCCなどは輸送運賃の契約形態WS(World Scale)と呼ばれる基準運賃に対する割合で定められるため、その割合が少ない契約形態の場合基準運賃の算出基準である平均航海速力14kntより、減速したほうが経済的になる場合が多い。

 

 

 

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