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第1章 調査研究の概要

 

1.1 調査研究の目的

 

21世紀には、化石エネルギー資源の枯渇を始め、二酸化炭素放出による地球温暖化、砂漠化、環境汚染の拡大、世界人口の爆発的増加による食糧不足など地球規模での問題が一層顕在化してくる。これら諸問題に対して、地球の70%の面積を占める海洋の環境、資源、空間を利用して解決しようとする期待が大きくなってきた。しかし、広大な海洋環境を把握するための技術が確立していないばかりでなく、資源開発、空間利用などに必要な基盤的技術も整備されていないのが現状である。

また、海洋に係わる産業は、我が国の産業構造の変化および低成長経済が長引く中で、海洋の開発利用が社会経済の発展に貢献するという期待とは裏腹に依然として低迷しており、これは、これまで実施されてきた開発プロジェクトによっていかなる技術が取得され、それがどのような分野で活用され得るのかの十分な評価が行われてこなかったことが大きな要因と考えられる。

本調査研究では、海洋のより高度な利用を図って行くために、海洋資源・エネルギー分野、地球環境保全分野及び海洋観測・調査分野など海洋の分野全般について、「海」の果たす役割及び人類の手によって利用・活用できる領域を調査研究するとともに、それを可能にして行くために必要とする技術について、その適用及び応用について解析・整理し、さらに新たに開発すべき技術課題を見出し、今後の海洋利用技術の発展に資することを目的とした。

 

1.2 調査研究の実施内容

 

本調査研究では、平成10年度の検討結果を踏まえて、以下の調査を実施した。

 

(1) 先端技術開発成果の評価

(2) 海洋分野への新技術の活用に関する検討

(3) 海外における海洋技術開発の調査

(4) 新しい海洋開発・利用技術確立に関する課題の創出

(5) とりまとめ

 

 

 

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