3]環境回復への取り組み
○地表水改善管理計画(Surface Water Improvement and Management Program: SWIM Program)
-1987年に「地表水改善管理法」(Surface Water Improvement and Management Act)が成立
・各地区の水資源管理局(water management districts)に対して、地表水の改善と管理に関する計画立案や実施要領策定における指針となる州法。
・SWIM法は、各地区の水資源管理局に対して、水質悪化がしばしば点源、非点源汚染によって引き起こされ、水質悪化はさらに直接的、間接的に生物生息場の消失の原因となることを念頭におき、州内の公共水面の生態的、修景的、レクリエーション的および経済的価値を守ることを要求している。
*フロリダ州の水資源管理局はSouth、Southwest、Northwest、St. Johns River、Suwannee Riverの5地区にわかれている。
-1988年にフロリダ南西地区水資源管理局(The Southwest Florida Water Management District: SWFWMD)ではタンパ湾をSWIM Programの最優先水域として管理計画を立案した。
-1992年にタンパ湾国家汽水域計画(The Tampa Bay National Estuary Project ; 現在はThe Tampa Bay Estuary Project)に基づく「包括的保全・管理計画」(Comprehensive Conservation and Management Plan: CCMP)の策定に伴って改訂された。
-「タンパ湾SWIM計画」の目標
・海草の分布を12,350エーカー(約50km2)増加させることを促進するため、タンパ湾への負荷を現状レベル(1992-1994平均)に抑える。
・毒性物質の汚染を最小化する。
・海草群落の質、量、多様性を増加、保全する。長期的には12,350エーカーの回復と現存する25,600エーカーの保全を目標とする。
・魚類および野生生物のためにウェットランドとその周辺の陸域生息場のバランスをたもった修復。
: 5年ごとに最低100エーカー(約40ha)の低塩性湿地を修復し、最終的に1,800エーカー(約720ha)増やす。
: 14,000エーカー近いマングローブ林と塩性湿地群落を保護し、拡張する。
: 150エーカーの塩性裸地の生物生息場を修復する。
・人口増に対して負荷を現状で維持するため、2010年までにタンパ湾への窒素負荷を7%、または年間17トン削減する。