[汚濁の状況]
大阪湾の主な汚濁は、湾奥部の浅海域、運河部に形成される貧酸素水塊、赤潮、神戸市沖から大阪市沖の水深20m付近まで広がる有機堆積物があげられる。また、5m以浅の浅場がほとんどなく、浅場を利用する底生生物、海藻類などの生息が脅かされている。
[汚濁の原因]
大阪湾の湾奥部は、流入負荷が集中し、流れが弱く、河川から流入する栄養塩が滞留しやすい状況にあり、これまでに蓄積された有機堆積物が水深20m付近までの広範囲にわたり存在している。また、埋立てによる干潟や浅場の消滅や海底地形により自然の持つ浄化能力が失われている。貧酸素水塊は水深15m以浅の海域に形成され、流れが弱いこと、河川流量が多く、成層構造が発達しやすいことが原因と考えられる。
[生物の状況]
底生生物の生息場となる干潟、浅場が少なく、海底は汚泥が堆積していることで底生生物はすくない。これに対し、プランクトン等を捕食する浮魚は多く、生物による浄化は主に表層の浮魚等によっていると考えられる。