[汚濁の状況]
三河湾の主な汚濁は、水深5〜15mに形成される貧酸素水塊、赤潮、底層に存在する有機堆積物があげられ、特に渥美湾側では苦潮として干潟、浅場にも影響を及ぼし、生物の生息を脅かしている。
[汚濁の原因]
三河湾は流入する負荷が少ないにも関わらず汚濁の強い海湾である。この原因は海水交換が悪いこと、干潟、浅海域が埋立てられ自然の浄化能力が低下していることがあげられる。特に、渥美湾の地形は東西方向に長く、湾口が西側に位置するため、夏季に卓越する南西風や冬季の北北西風による吹送流での海水交換が行われにくく、湾内の滞留時間が長い。
[生物の状況]
三河湾は湾内で浅場の占める割合が20%と高く、干潟や藻場も存在するが、貧酸素や苦潮の影響を受けることがあり、湾央部から湾奥部に生息する底生生物や魚介類の生息が脅かされている。表層ではプランクトン等を捕食するイワシ類等の浮魚が多く来遊し、漁獲による取り出しなど水質浄化に寄与している。