表38より明らかなことは、深冷分離法は分離速度がはやいために、エンジンから放出されるガスを処理するには有効ではあるが、装置規模が50m3を越えるために、本開発の目的である舶用エンジンに組み込むシステムとしては該当しないと考えられる。
b) 吸着分離原理
特定のガスをある種の吸着材に吸着させ、残ったガスは排気ガスとして放出する。吸着されているガスは、圧力差、温度差等を利用して、脱着し、分離する方法である。代表的な吸着剤として活性炭(CMS ; カーボンモレキュラーシーブ)及びゼオライト(AlxSiyOz・H2O)がある。両者は分離原理に違いがあり、活性炭、特にCMSは、制御された均一な細孔をもっており、分子サイズの差によって吸着の速度が異なるため、吸着速度差を利用した分離である。ゼオライトは、結晶構造によって形成される細孔の内部に極性を持っている。気体の極性の違いによって、吸着量が異なるため、平衡吸着量の違いを利用した分離である。また、ゼオライトはAlとSiの比によって様々な細孔径をもつ。
c) 膜分離の原理
膜分離には、大きく分けて多孔質分離と非多孔質分離に分けられる。分離時に起こる現象の種類を表39に示す。