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5.1.2 ギャップ適用可能範囲の設定実験

搭載工程での対象部材は大型かつ複雑な構造を有しており、加工精度や取付精度の不良及び前工程での変形などの誤差の集積が開先ギャップの変動として現れる。よって、ギャップ幅の裕度ができる限り広いことが必要である。新たに開発した開先ガイドローラの効果と開先ギャップ変化について実験を行い、適用可能範囲を設定した。

ギャップ幅が著しく狭くなった場合は、溶接トーチの前方に幅9mmのガイドローラを取り付けたことで、9mm以下の開先幅では、溶接を停止するようにした。

板厚19mmの鋼板を用い、11~20mmの範囲で適用可能範囲を調査した。溶接条件は、先行極、後行極とも溶接電流、電圧を定とし、溶接速度と揺動幅を変化させた。

このときの結果が図5.1.4であるが、良好な溶接ビードがギャップ幅11~17mmの範囲で形成できているのが分かる。しかし、ギャップ幅が19mmになると、ビード高さの不足が一部に見られた。そこで、本溶接施工法での適用範囲は安全サイドに見て11~17mmとした。

 

 

 

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