8. 事業の成果
「はじめに」で述べられたように、造船・舶用市場における厳しい国際競争の中で、競争力強化のためには、企業内の情報システムの高度化を促進するとともに、企業間でやり取りされる各種情報を効率よく交換する必要がある。そこで、平成10年度から3ヶ年計画で船舶の建造に係る造船関係事業者間の情報交換業務の環境を整備し、主要な舶用機器およびその関連部品等の中から対象機器約50品目を選定し、これらについて電子データを用いた情報交換に係る情報表現方法の標準化を図るとともに、円滑な情報交換を可能とする情報交換システムを開発し、わが国造船および造船関連工業の発展に寄与することを目的としてこの「造舶Web」がスタートし、昨年度は5品目の情報表現形式の開発、システムイメージの検討とプロトタイプの開発などを行い、今年度はその2年目にあたる。
事業の実施内容については1章にまとめられているが、それによって得られた主要な成果を要約すると以下のとおりである。
まず、舶用機器情報基盤の全体構想検討においては、
1]造舶Webの目的に基づき、目標設定を行い、本年度の作業方針を策定し、次年度の詳細実施計画を策定した。
舶用機器に係る情報表現形式の開発においては、
2]参加各社への訪問、アンケートなどにより、企業間業務に関する現状各者が抱える問題点を明らかににするとともに、造舶Web特有の、我々自身が取り組むべき課題を明らかにした。
3]今後の造舶の業務改革のための業務施策を品目毎に造舶が共通の場で検討し、システム開発のニーズを提供するとともに、情報表現形式の開発において、今年度の25品目について、造舶でやり取りすべき情報の標準化を行った。
情報交換システムの開発と運用支援環境の検討においては、
4]今年度よりシステムサブWGを発足させ、3]の情報表現形式の開発作業を行う品目別検討チームからのニーズとシステム開発側のシーズとの橋渡しをおこない、システム仕様を作成した。
5]さらに、実証実験用運用支援サーバ及び造舶クライアントシステムからなる造舶WebシステムVersion2を構築・実装し、造舶Webのホームページも立ち上げた。