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7.4 運用シナリオの具体化とシステム導入の手引き

(1) 運用シナリオ

業務変革項目の中には、将来ではなく現段階において、高度造船CIMと造船所の既存システムとを組み合わせることによって、工夫代の範囲でその実現が期待できる課題がある。

具体的なシステムの使い方を運用シナリオと呼び、ここではその実現の具体的方法を検討し、提案する。具体的な使い方をいくつか概観することで、高度造船CIMの活用方法をより一層イメージアップできる。

造船所の既存システムと組み合せての使い方を提案するに当たり、平均的な既存システム機能、業務フローを想定した。各社が持っている既存システムは千差万別であり、その機能にもバラツキがあるし、システム操作に依存した設計業務プロセスも各社同じとは限らない。

表7.3-1に示した業務変革項目の中で、早々に実現可能な条件が揃っており、かつ、広範囲に影響する重要な業務という観点から、表7.4-1に示す9つの運用シナリオを作成した。表の上段は、各運用シナリオを実現するうえで必要な製品を表し、高度造船CIMでの成果物、各造船所に存在する既存システム、そして新規に開発しなければならないシステムに分類される。下段には、各シナリオを実現するうえでの付帯作業を整理した。付帯作業は、実船に適用前の準備作業と運用時の保守作業から成り、目安として各付帯作業の工数(人・月)を示したが、この数値は既存システムの持っている機能のレベルに大きく依存するので、あくまで参考的なオーダーの数値である。

 

表7.4-1 運用シナリオ

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注1:上表の「必要な製品」は各シナリオの実現に必要な高度造船CIMの成果物を意味し、GPMEやCORBA製品などのインフラとして必要な市販製品は除いてある。

注2:付帯作業の「工数(人月)」は、作成する機能やカスタマイズのレベルに大きく依存する。

 

 

 

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