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3.2.2 拡張の手順

(1) 拡張仕様書の作成

拡張仕様書の書式は、GPMEのクラス仕様書とメソッド仕様書のものを踏襲することとした。クラス仕様書はクラスの情報と属性の情報を記載し、メソッド仕様書はクラス名やメソッド名を始めとして、メソッドのカテゴリーや機能、他のインスタンスへの影響などを記すようになっている。

詳細形状パターンなどのクラスでは、各パラメーターがどの部分の大きさを意味しているかを明確にする必要があり、また、その機能の大半が形状作成にかかわる部分となるため、属性としてパターンが保持している情報と、引数で与えられた情報とからどのような形状を作成するかを明示するために図を多用した拡張仕様書を作成した。

拡張仕様書の量は、船殻と艤装を合わせて1,500ページ程度(A4サイズ)となっており、例に示した拡張仕様書の図も含めて、全て電子データ化されている。

(2) 拡張の実施

拡張作業は、開発プロジェクト室と企業の計4か所に分けて、完全に並行して進めた。

まず始めに、他のクラスから参照する可能性のあるクラスについて、クラスの定義と、属性、アソシエーションの定義を行ったプロジェクトを作成し、それを基に、それぞれの担当部分のクラス・アソシエーション・メソッドの定義を行い、最後に、上記4か所で別々に拡張されたプロジェクトを結合して、拡張された一つのプロジェクトを構築した。

(3) 拡張結果の検証

作成したFLが拡張仕様書通りに出来ているか、更に拡張仕様自体が妥当であるかどうかを検証するため、メソッド単体での動作確認だけでなく、FLを実際に使用する時に想定される手順に従って検証し、その後、仮想のダブルハルタンカーを対象にして、モデルの登録・修正・削除などの操作を行った。この仮想船は、拡張したFLの検証のために特に設計したもので、「ACIM丸」と呼んでいる。そのタンク配置を図3.2-2に示す。

検証作業は、FLを直接リンクしたC++のテストプログラムを作成し、そのプログラムをバッチ的に実行した結果を表示して、意図した通りになっているか否かを確認することによって行った。

このような個々の機能に関する検証と並行してFL全体としての機能や表現能力を検証するため、検証用アプリケーションを用いた検証を行ったが、それについては別に述べる。

 

 

 

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