3.2 拡張方法
拡張には、まず業務分析を行って機能要件を明確化することによって、GPME で構築したCFL及びEFL/Sを再検討し、その結果を拡張仕様書の形でまとめた。この仕様書に基づいて、オントロジをコンピュータープログラム化したFLの拡張を実施した。作業はGPMEのOntoEditorを使い、GPMEのEFL/Sをベースとして、クラス及びメソッドの追加や変更を行って進め、構築したACIM FLの検証は仮想のダブルハルタンカーを用いて行った。
3.2.1 拡張の方向
GPMEのEFL/Sは、GPME用のサンプルプログラムが動くレベルをめどに、造船用に構築されたEFLであり、そのまま実用に供することを目指したものではない。本開発研究においては、造船業で実用的に使えるレベルのFLを構築するため、EFL/Sを更に造船向けに拡張するのはもちろん、CFLに含まれる部分も改めて再検討の上で拡張し、実用性の高いFLを構築した。
一般に、システムを拡張する場合、使い易さや機能の向上を目指す方向と、システムが対象として扱える範囲を広げる方向の2つが考えられ、次のように拡張要件の検討を行った。
・深さ方向の拡張（構築と操作機能の向上）
・幅方向の拡張（表現能力の拡張）
「深さ方向の拡張」は、船舶のモデルを容易に、かつ柔軟に構築し操作できるようにして、モデルの質的な高度化を目指し､「幅方向の拡張」は既存CADが表現しているものを表現可能にするなど、モデルのカバー範囲の拡大を目指すもので、これらの関係を模式的に図3.2-1に示す。
